つみたてNISAとNISAは何が違うのか? 初心者向けの比較
このページは、つみたてnisaとnisaの違いを、リスクとリターンの観点から定量的に理解したい人向けに書いています。制度や法律の話ではありません。
最近、まわりの人につみたてnisaとnisaは何が違うんだと聞かれます。ただ、この質問実はすごく難しいです。というのも
- ①法律的な話や制度の話なのか←大体違う答えを求めてる
- ②儲かるのか儲からないのか←大体その答えを求めているけど、プロに聞いてもその答えはよくわからない
この②のパターンが非常に多いです。
なので今回この②のパターンについてお話しようと思います。特に、注意してほしいのは、つみたてnisaとnisaのメリットデメリットについてのみ今回お話しするということです。投資は常にリスクとリターンが存在しており、リターンを得るためにはリスクを取らなければ成立しないのです。リスクなしで得られるリターンはありません。
さて、②のパターンで考えるとき、比較対象は同程度の投資金額で考えたいと思います。すなわち、つみたてnisaは年間40万円×20年間=800万円の投資が非課税でできるので、同様に800万円を今の時点で投資した場合のことを考えてみたいと思います。
- A 800万円を2001年の2月に投資した場合、2021年1月まででどれくらいのパフォーマンスが得られたか(バックテスト)
それぞれの指数は、S&P 500、全世界株式、日経平均、新興国株式になっています。
こちら、2001年に800万円投資できていれば2007年くらい(リーマンショック直前)にはなんと3000万円にもなっていたようです。リターン大きいですね。ただ、同時にリスクも大きいです。リーマンショックで3000万円が1000万円にまで落ち込んでしまいました。このリスクを耐えられるものだけが大きなリターンを得られるのでしょうが、リーマンショック当時持ち切れる精神状態では全くいられないと思います。
続いては、
- B つみたてnisa同様、毎月3.3万円、年間40万円を20年間(合計800万円投資)投資した場合のバックテスト
こちらは、2001年ごろにはまだ40万円程度しか投資金額がないため、Aで見たように、初期の段階では大きなリターンが得られません。そりゃそうだよね。
しかし、一方で、リーマンショック時に元本が少なく、かつそのじきにおいてもひたすら投資を続けられているので、結果として取得単価を押し下げ、リーマンショック以降ぐんぐんパフォーマンスがのびてきています。結果、20年目の2021年において、S&Pは投資額合計800万円に対して2000万円のリターン(2倍強)を得ることができています。結局これは、巷でいうつみたてnisaのドルコスト平均法的な投資方法がうまくいった結果とも考えることができるでしょう。
この二つを比べてわかるのは、
- A.リターンは大きい(リーマン前の新興国は非常に良かった)がリスクも大きい
- B.リターンは小さいがリスクも小さい
ということでした。ぜひみなさんの投資の参考にしてください