「森の住人」のブログ

中国語学習の話、金融の話をするアカウントです

中国語の勉強方法:初学者は発音とピンインを固めるべし

この記事は「中国語の勉強を始めたいけど、何をしたらいいのか」という方向けです

 

 さて、一つ前の記事では中国語を理解する上で発音は重要だと言われるけれども、そもそも文化に対する関心がないと語学はなかなか伸びないだろう、という話を書きました。

 今回は、早速中国語を学ぶ上で重要な「発音」と、それを識別する上で重要な「ピンイン(拼音)」について学んでいくことにしましょう。

 

  • 中国語で発音とピンインの知識を曖昧にしないこと

 そもそも中国語には日本語に無い音や、それを識別する上での識別記号(ピンイン)があります。これが固まらずして次のステップにいくというのは、ザルの中に水を入れようとしているのと同じようなことです。

 具体的な事例をあげましょう。私は大学時代に北京大学に留学に行っています(プロフィール参照)。実は北京大学に留学に行くまでは文法や単語は全然できなかったのです。かたや他の日本人たちはすでにHSK6級を持っている人たちだったり、日本で語学学校に通うなどしていた人たちです。

 けれども私には唯一の強みがありました。それが発音です。日本人が苦手としている"n"と"ng"についても、きちんと分けられるくらい発音だけはしっかりやっていました。そしてこれを可能にしたのが徹底的な発音の練習、ピンインに対する理解です。

 

  • 中国語を勉強する初期の段階で発音を完璧にしておくと、短期間で中国語をマスターできるようになる。

 これが他の日本人と比べて格段にできた私は、中国における生活で中国語を学ぶ速さが他の日本人と比べて倍以上違ったと思います。なぜなら「聞き取れる」からです。特に中国語の初学者にとって重要なのが、わからない単語に対して正しく音を聞き取る能力です。

 というのもわかる中国語が聞き取れたところで、その単語は頭の中で理解されてその次には忘れ去られてしまうのです。そうではなく、中国語で初めて聞く単語を会話が終わった後も、「あの単語そういえばなんだったっけ」と頭の中で覚えておくには正しい発音が明確に認識できることが重要なのです。

 通常の会話の中ではわからない/知らない単語はとりこぼされて、結局その単語を思い出すこともできずに終わります。つまり語彙力が拡張していかないのです。一方で、意味は分からずとも発音を聞き取る能力が完成していれば、会話が終わった後も単語の「音」を正しく記憶することができるのです。あとはそれを調べれば、語彙力は拡張していきます。

 では、どのような方法を使えば中国語の発音をマスターすることができるようになるでしょうか?私が発音を理解する上で役に立つと思った本を紹介します。

 

 役立ち度「高」:安いし中国語の初期段階の学習には非常に役に立つ。

 NHKラジオ外国語講座は実はコストパフォーマンスは最高であることが多いです。そして、半年で講座が一度完結するように編集されています。また毎回の授業が短い割には実は一回聞いただけだとなかなか全てを学びきれ無い場合が非常に多く、この回をもう一度繰り返せばより定着度は上がるのにCDを買わないことで定着させられないことが多く、勿体ないケースを非常に多く見てきました。

 私も中国語の発音を学んでいた初期には4月号を徹底的に復習して、ピンインと発音が理解できるようになったと思ったら中国人に友人に聞いてもらうなど、チェックをしてもらいながら修正しました。そして、4月号である程度基礎が学べたら今度は5月号、6月号では簡単な会話や文章が登場してきますので、今度はその文を一字一句間違うことなく「精確」に発音する練習をしましょう。

 実はこの作業だけで半年はかけても良いと思います。というのも、発音を勉強することを主軸に置いてピンインの読み方や会話、文章を何度もデクテーションしたり、ピンインを書き取ったりしているうちに初期の初期に使うような単語は覚えられてしまうのです。むしろ4月号から9月号まで発音を主軸に置いて勉強していたら中国語検定3級程度の語彙力と文法は自然と身についてくるようにも思います。

 

 役立ち度「中」:一冊にまとまっており、網羅性がある。中級以上の勉強にも接続できるように編集されている。

 

いわゆる教科書的な感じに編集されている本です。CDは4枚ついており、発音を重視している姿勢が伺えます。また、この本は中級シリーズもあり、中国語検定2級までを視野に入れて勉強したいと考えている人は購入を検討してみるのもアリかと思います。

実際、私もラジオ中国語講座と並行して多少かじっていました。

 

 

役立ち度「低」:確かに理解は進むが金額がべらぼうに高い

それは、語学講座です。語学講座を申し込むと10万円単位でお金は飛んでいきますが、中国語の学習進捗は自分でコントロールすることもできないし、勉強時間の融通は聞かないし、と様々なデメリットもあります。ただし、本だけでは学ぶことができないという人には本当にオススメの本だと思います。申し訳ありませんが、私には語学講座を受講した経験がないので、あまりオススメはできませんが、その可能性を選択肢として全否定することもありません。

 

それでは今回はここまでです。何か書いて欲しい記事や質問等ありましたら是非ともコメントをお願いします。 

 

 

 

 

 

中国語の勉強方法:初学者は発音から学ぶ

 この記事は

「中国語の勉強を始めたいけど、何をしたらいいのか」

という方向けに書いています。

 

 初めて語学を学習するとき、あなたは何を想像しますか?その言語が使われている地域でしょうか、自分がその言語を使っているシチュエーションでしょうか、それともまた別の何かでしょうか。

 ほとんどの方が中学校(もしかすると小学校)に入学してから義務教育として中国語の勉強を始めたと思いますが、その時「何から学んだら良いのだろう」と思った時はありませんでしたか?

 私は残念ながらそんな疑問も抱かずに英語の教科書をひたすら開いたので、「英語とは"This is a pen!"から始まるものである」という認識が未だにあります。

 しかし、英語学習においても実はPhonicsから始めたり、単語と絵の描かれたカードから始めたりなど様々な勉強方法があります。

 

  • 中国語では「発音が大事」なんだけど・・・

 

 しかし殊に中国語に関しては、様々な参考書を本屋さんでペラペラめくってもらうとわかるのですが、そのほとんどが「発音」から始まるのです。

 みなさんが英語を勉強するときには「発音」重視したでしょうか?実は英語の場合は最悪「ア」「アェ」、「R」「L」の発音がごっちゃになっていても聞き手は理解できることが多々ありますが、中国語はなかなかそうはいかない、というのが実情です。

 では一歩譲って湖南省の人のように「Ng」と「L」がぐちゃぐちゃになってしまったとしても理解できるとしましょう。しかし、やはり四声と呼ばれる発音だけは間違ってしまうと、中国人に何度も聞き返されてしまいます。

 この四声という、声調で意味が変わる言語の系統は東南アジアでも多く見られます。中国(普通語)では四声で済みますが、広東語だと九声とも言われます。タイ語では五声が標準でベトナム語では六声が標準とも言われています。

 

  • 「発音も大事」だけど「文化」も理解しよう

 

 このように「言語の常識が異なる」ということを理解しないと、最初の中国語学習の点で大きくつまずいてしまうのです。では、私は「発音が重要である」ということを言いたいかというとそうではありません。まず「発音」を理解する前に自分の常識に対してより柔軟であるために「文化を理解する」ことの方が私は大切であると思っています。そうでなければ、中国語を学習する上で降りかかってくる様々な問題にみなさんは引っかかってしまうのです。

 例えば英語学習する上で非常に重要なSVO(C)という文型をみなさんは学んだことがあるでしょう。英語では「私は朝ごはんを食べます」は"I eat breakfast(私/食べる/朝ごはん)"となります。中国語も同様です。「私は朝ごはんを食べます」は"我吃早饭(私/食べる/朝ごはん)"となります。

 このようなことも文化に対する理解がなければ「我在食堂吃饭」と常識的には言うものを「我吃饭在食堂」と言い続けてしまいます(中国語では場所と動詞の関係では、場所が先に来ます。どちらも文法としては成立しますが、それは中国人が実際に話す文脈上では残念ながら「変な中国語」と捉えられてしまいます。

 そのためまずは中国という国がどのような国なのか、そこから関心を持つことから是非とも初めていただければと思います。

 単純にホームページをいくつか見るのも良いですが、できれば本の方が良いと思います。もしできるのなら実際に中国人とお話しするのが良いでしょう。というのも今現在日本の主要メディアが取り上げるのは軍事的、経済的な動向が大部分を占めており、中国の文化的側面について、あまりおもしろいものはありません。むしろ読んでいるとだんだん中国に対して腹が立ってくるような文章が多いです。自分が嫌な感情を持っている国のことを勉強するのは楽しいですか?そういう意味も込めて、いくつか中国を理解する上で非常に面白い本を推薦させていただきます。

 

 

 難易度「高」:自分の知的好奇心を満足度させられるレベル。

以下四冊は、おそらくテレビで知ってきたもしくは伝聞で聞いてきたような中国のレベルは軽く超えています。しかし、私の個人的な意見としては、これくらいの負荷がないと中国を楽しめないと考えています。特にこの本の編者は東京大学の教授レベルであり、ここが読めれば中国のある程度の事情はわかってきます。 特に最後の一冊は論文に近い形式で、中国側の政治的歴史的な主張に対する日本の反論のロジックを理解する点では非常に役立ちます。

 

難易度「中」:まあまあ自分の知的好奇心を満足させられるレベル

以下三冊は、自分がテレビで見知ってきた中国像に対してさらにプラスして何か得られることもある程度にまとまっている本です。ただ、川島真「中国のフロンティア」は新書で一見読みやすそうに見えるのですが、なかなか書いてあることは難しいかと私は思っています。また「そうだったのか!中国」は池上彰さんの著作ですので、一般読者層まで意識して書いているので平易な知識量を持っている人に向けて書かれたものだと思いますので読みやすいです。

 

難易度「低」:読みやすく、かつ自分の知識を補強できるレベル

本当に中国について何も知らない方向けです。むしろここから中国のことを知らなきゃいけないって思いながら中国のことを勉強しようと考えている方は、もうちょっと中国のことを勉強した方がいいと思います。一度中国の歴史全巻を読まれることをオススメします。

 

 

それでは今回はここまでです。何か書いて欲しい記事や質問等ありましたら是非ともコメントをお願いします。